目からウロコの近現代史

目からウロコの近現代史 (PHP文庫)

目からウロコの近現代史 (PHP文庫)

憲法九条改正」とか「靖国問題」とか、物々しく議論されているけど、いまいち近現代史を理解していないので、議論を理解できない。なぜこんなに歴史を知らないのかと考えたら、実は近現代史を一回も習ったことがないことを思い出した。中学の日本史の授業って、教科書を全部消化しようと思ったら時間が足りなくて、どうしても近現代史がおろそかになってしまうのが現状。かなり大事な部分なのに。そういうわけで、日本史の基礎から勉強しようと思ったのが、この本を手に取ったきっかけ。

著者が高校の先生らしく、日本の近現代史の絶対知っておかねばならない点を、おもしろく解説している。しかも、項目ごとに途切れ途切れになるのではなく、こういう出来事があってこういう事件が起きた、といった歴史の流れもとても分かりやすい。おもしろおかしく解説しているが、決して先人を揶揄する内容ではなく、相当の尊敬も込められていて、純粋に「日本もすごい歴史を生き抜いてきたんだなぁ」と思えた。

分かりやすくて、おもしろくて、尊敬の念も湧く。これって、歴史の授業の理想の姿なんじゃないかと思う。中学、高校でこういう先生にめぐり合えたら、それはかなり幸せなことやろうなぁ。

自由民権運動って何?」とか、「五・一五事件ってあったなぁ。何のことか分からんけど」というレベルの人(自分も、もちろんそのひとり)は、ぜひ読んでみてください。