なぜ勉強するのか?

なぜ勉強するのか? (SB新書)

なぜ勉強するのか? (SB新書)

すごく心に沁みこむ、パワーのある一冊だった。

勉強によって得られるものは「理解力」「想像力」「表現力」。そのことはなんとなく分かっていた気がするし、たいした頭ではないけど、大学でもがんばって勉強してきたつもり。けど、その自分を磨いた先に明るい未来が見えなかった。
自分の中に、両親から受け継いだ価値観として「ロクな世の中じゃないけど、生活のため、給料のために働くのだ」というものがあると思う。もちろんそれは一面では事実なのだろうけど、小さい頃から、「ロクな世の中じゃない」とネガティブなことを両親に言われることで少なからず傷ついてきたと思う。「じゃあ死んだ方が楽なのか?」って。


そんな自分に響いた言葉。

『世界は過去よりもよりよくなっていると確信してください』。


「ああ、俺は尊敬できる大人(できれば両親)に、この言葉を言って欲しかったんだなぁ」と思った。いい世の中をもっとよくするために勉強してるんだと信じられれば、それはすごく強いだろうと思う。

もうひとつ、『世の中は断じて競争社会ではない。99%の協力と1%の競争の協力社会だ』と言ってくれたのも反省させられたし、嬉しかった。

ふたつの意見共に、異論反論はあるだろうけど、肝心なのはこういったことを「断言」していることだと思う。批判されてもそれに耐えて、「いや、それでも俺はこう思う」と言い返すだけの強さがこの本にはあった。大人が自分が暮らしている社会を「いいもの」と確信して子供に伝えることができれば、子供はすごく安心できると思う。自分もそんな大人になりたい。



最近ネガティブなことばっかり考えて落ち込んでいたけど、少しずつ上向いてきた。がんばろう。書評じゃないな、これ(笑)